個人でバスを所有できる?費用相場や中古バスがおすすめな理由
最近、個人バスに関する投稿がSNS上で話題を集めています。昔からバスが好きだった、家族旅行に使いたいなど、購入に至る経緯はさまざまですが、どの投稿を見てもバスの購入に満足している様子がうかがえます。
この記事では、そもそも個人でバスを購入することは可能なのか、注意点や相場、費用について解説します。
個人でもバスは所有できる!
結論からいうと、個人でもバスは所有できます。
ただし、観賞用として所有するだけなのか、それとも旅行用のように実際に運転するのかにより、取得に必要な手続き・免許が異なるため、事前に確認しましょう。
所有するだけ(運転しない)場合
バスを運転せず所有するだけなら、自動車保管場所証明書(車庫証明)の手続きのみすれば問題ありません。
具体的な方法きは下記のとおりです。
駐車場(車庫)のある場所を管轄する警察署に行き、申請書類をもらう
(1)申請書類を作成し、必要書類を準備する。なお、必要書類は車庫を自分で所有しているか、借りているかにより異なるため注意。
必要書類
- 1.自動車保管場所証明申請書
- 2.保管場所の所在図・配置図
- 3.保管場所使用権原疎明書面(自認書)
- 4.保管場所使用承諾証明書
- 5.バス使用者の住所を確認できる書類
- ●自己所有の車庫の場合:1、2、3、5
- ●借りている車庫の場合:1、2、4、5
(2)必要書類を警察署に届け出る。なお、申請手数料が2,000~2,200円程度必要。窓口で支払うと、「納入通知書兼領収書」が交付されるため、なくさないように保管する。
(3)3~7日後、手続きが完了したら納入通知書兼領収書を持参し、もう一度警察署を訪問する。標章交手数料500円を支払うと、自動車保管場所証明書など一式が受け取れる。
以上がバスを所有のみする場合の手続き方法です。
所有し運転する場合
次に、バスを所有し運転する場合は、乗車定員数によって必要な免許が異なるため、事前に確認しましょう。
- ●11人未満(小型バス以下)
普通自動車免許 - ●11~29人(マイクロバス、小型バス、中型バス)
中型自動車免許
※2台以上所有する場合は整備管理者の選任が必要 - ●30人以上(大型バス)
大型自動車免許
整備管理者の選任
整備管理者の選任とは
特に、大型バスを所有する場合、整備管理者を選任しないとナンバープレート登録ができず、公道を走れません。
整備管理者とは、自動車の 点検・整備、車庫の管理ができる者のことで一定の要件を満たしていないと選任できません。
自分で整備管理者になる場合は
- 1.所有するバスと同じバスの整備・点検など2年以上の実務経験を有し、かつ、地方運輸局長が行う研修を修了している
- 2.一級、二級、三級の自動車整備士技能検定に合格している
1.2.どちらかが必要です。
また、整備管理者を外部に委託する場合は、同意書や委託契約書を交わし、運輸局へ届け出る必要があります。
現実的に個人所有しやすいのは中型バスまで
そのため、現実的に個人で所有しやすいバスとなると、乗車定員数29人まで、中型免許で乗れるマイクロバスや小型バス、中型バスが該当します。
ただし、中型免許でも、8t限定中型免許では中型バスの運転ができないため、購入前によく確認しましょう。
事前に知っておきたい!個人でバスを購入するときの注意点
個人でバスを所有する際、事前に確認したい注意点があるため解説します。
駐車場の確保が必要
小さいといわれるマイクロバスでも、長さ約7m、車幅2m、車高は約2.6mあります。1台で軽自動車2台分に匹敵するサイズのため、駐車場を確保する際は、それだけの長さのバスが収まるか事前に確認が必要です。また、バスの出し入れがスムーズにできるかも合わせて確認しましょう。
燃費が悪い
バスの燃費は3.0~8.0km/L程度です。普通自動車の燃費平均が22.0km/L程度のため、頻繁な給油が必要であることが理解できます。
特に、長距離旅行などで利用したい場合は燃費性能も考慮した上で選びましょう。
定期点検が必要
バスの場合、車検以外に、3ヵ月または、6ヵ月に1回、車が安全に走行できるか確認する法定点検が必要です。点検の頻度は、乗車人数のほか自家用か事業用かにより異なるため、詳しくは管轄の運輸支局に確認しましょう。
維持費が多くかかる
以上のように、個人でバスを所有すると、ガソリン代や定期点検代だけでなく、自動車重量税が高額になるなど、維持コストが多くかかります。
そのため、実際に所有を検討する際は購入費用だけでなく、どの程度維持費がかかるかもあらかじめ確認しておくとよいでしょう。
とはいえ、一度に大勢が乗車できる、普通の車以上に人目を引ける、憧れていたバスの運転が自分でできるなど、バスにしかない魅力も多くあります。
購入の際は後悔のないように注意点をよく理解してから選びましょう。
バスを購入する場合の相場を解説
個人でバスを購入する際は、新車か中古かにより費用が大きく異なります。それぞれのバスの相場を解説します。
新車でバスを購入するときの相場
新車のバスは乗車定員やグレード、仕様によっても異なりますが1000万円以上かかるケースが多いです。
- 大型バス:4,000万円~
- 中型バス:3,000万円~
- 小型バス:700万円~
バスの中でも路線バスよりも観光バスの方が高額となるケースが多く、中には1億円に迫るものもあるようです。
小型バスは比較的低価格であるものの、それでも普通自動車を買うのと比べると高額です。
中古でバスを購入するときの相場
一方、中古でバスを購入すると、新車の10分の1程度まで価格を抑えることも可能です。
- 大型バス:150万~300万円
- 中型バス:200万~600万円
- 小型バス:150万~250万円
年式や状態などにより価格が異なるため、気になるものがあれば問い合わせの上確認しましょう。
バスは維持費用もかかる!初期費用を抑えたいなら中古バスがおすすめ
以上のように、バスを新車で購入するとなると、1,000万円以上のお金がかかります。加えて、車検・定期点検費用、自動車重量税、駐車場代、ガソリン代と、維持をするだけでも多くの費用が必要です。
そのため、コストをかけず、手軽にバスを所有したいなら、中古バスを選ぶのがおすすめです。さらに、バスは中古といえどもメンテナンスがしっかりされていれば、長く乗ることができる車でもあります。一般的な耐用年数は10~15年程度のため、中古でも十分、運転を楽しめます。
個人でバスを所有するなら、手頃な価格で購入できる中古バスがおすすめ!
バスは個人でも所有できますが、サイズにより必要な免許が異なるため事前に確認しましょう。また検討する際は、燃費が悪い、費用がかかるなど、乗用車との違いをよく理解した上で選ぶことが大切です。
実際に購入するなら、初期費用を抑えられる中古バスが現実的です。中古では車体の状態が気になるかもしれませんが、バスは耐久年数が10年以上と長いため、満足できる製品が多い点も注目したいポイントです。