バスメーカー5社が誇る人気車種の特徴を徹底比較
インバウンド需要によってバスのニーズが高まっています。日本にはさまざまなメーカーのバスが走っていますが、そのなかでも今回は、
- ・いすゞ
- ・三菱ふそう
- ・ヒュンダイ
- ・日野
- ・トヨタ
という大手5社が誇る人気車種の特徴を紹介します。
いすゞ「エルフ」は世界各国でトップシェアを誇る
いすゞ自動車は、1916年に創業した歴史の長い自動車メーカーです。今の会社名となったのは1934年のことで、この社名は伊勢神宮の五十鈴川が由来です。
2019年現在は、日本のみならず、世界120ヶ国でいすゞブランドの自動車の販売を行っており、いすゞ社製の小型トラック「エルフ」は、多くの国でトップシェアを誇るトラックとして知られています。
さまざまなシリーズが用意されている大型バス「ガーラ」
貸切、夜間高速・高速路線、パッケージ車、リフト車といったシリーズが用意されている大型バスです。
貸切シリーズでは、全長12mのスーパーハイデッカーとハイデッカー、全長9mと少し小型のハイデッカー9といったラインナップが用意されています。
リフト車では、車体側面に上下に稼働するリフトが設置されており、車いすの方でも楽に乗り降りができます。
路線バスとして活躍する「エルガミオ」
路線バスとして利用できる中型バスです。前方と後方に2つの扉を設置。前方の扉の床から地面までの高さは約33㎝、後方の扉の床と地面の高さは約26㎝なので、子供や高齢者の方でも無理なく乗降可能です。
安全面にも配慮した作りとなっているのも特徴です。ドライバー異常時対応システムが設置されており、車内に異常が起きた場合は、車内にある非常ブレーキスイッチを操作することで車両を少しずつ減速させて停止できます。
三菱グループ発のバスメーカー「三菱ふそう」
三菱ふそうバス製造株式会社は、1950年に設立されたバス製造会社です。三菱ふそうが初めてバスを世に送り出したのが1932年のことで、このバスは社内公募により「ふそう1号車」と名付けられました。そして、この名が後にブランド名として長年親しまれるようになります。
「ふそう」という言葉は、中国に由来があり、東の海にある日出る国にある神木を意味し、日本を指し示す言葉でもあります。
名前から分かるように、元々は三菱グループに属する会社でしたが、2003年より独立。今はドイツにある自動車会社・ダイムラーの連結子会社となっています。
観光バスとしても利用可能な「エアロクイーン&エアロエース」
観光バスとして使用可能な大型車。小排気量で低燃費のエンジンを搭載しているため、経済的で環境に優しいです。AMTにより最適なギアチェンジが行われるので、運転手が疲れにくく、長時間の運転に適しています。
アクセルやシフト操作に関しては、自動変速を利用した運転が可能なため、初めての方でもすぐに慣れます。
路線バスとしても活用できる「エアロスター」
路線バスとして活用されている大型バスです。ノンステップバス認定制度に対応した作りとなっており、子供や高齢者、足の不自由な方でも楽に乗車できます。環境にも配慮して製作されており、CO2排出量を抑えられます。
トルコン式6速A/Tを搭載しています。これにより、ドライバーの疲労感の緩和、スムーズな発進、快適な走行、燃費性能の向上が実現しています。
大人数の遠出に役立つ「ROSA」
スクールバス、送迎バスとして活用できる小型バスで、大人数で遠出をするときに重宝します。
高性能3Iエンジン4P10と排気後処理装置、再生制御式DPFを搭載しており、SCR触媒の力で窒素化合物を水素と窒素に分解します。さらに、CO2排出量も軽減するので、環境に優しい自動車です。
力を効率的に伝達できるデュアルクラッチ式AMT「DUONIC 2.0」により、低燃費で走行でき、軽やかな加速が可能です。
販売台数世界5位を誇る「ヒュンダイ」
販売台数世界5位を誇る韓国発の自動車メーカー。1967年創業の会社で、日本の市場へ参入したのは2001年です。
2010年を機に日本市場での乗用車販売を止めてしまいましたが、以下で紹介する観光バス「ユニバース」は現在も日本で流通しています。日本のバス産業は衰退傾向が続いていますが、ユニバースの生産台数は着実な伸びを見せており、2015年には年間売り上げが遂に100台を突破しています。
3つの安全装置を完備した「ユニバース」
ユニバースは、「衝突被害軽減ブレーキシステム」「車線逸脱警報システム」「車両安定装置」の3つの安全装置を完備した、安全性と快適な乗り心地が魅力のバスです。
衝突被害軽減ブレーキシステムでは、フロントバンパーに設置されたミリ波レーダーと、フロントガラスに設置されたカメラにより前方の状況を的確に察知できます。危険が迫ると、すぐさま警告音を発し、ブレーキを作動させます。このシステムにより、突発的に起こる衝突事故の衝撃が軽減できます。
車線逸脱警報システムでは、時速60㎞以上で走行中に車線の飛び出しを検知すると、車内のディスプレイで飛び出した車線を表示し、同時に警告音で危険を知らせます。
車両安定装置では、車体に設置されたセンサーからの情報を基にエンジンとブレーキを調節します。雪や雨などで路面が滑りやすくなった状態でも、安定して走行できるよう手助けします。
これらのシステムが、ユニバースの安全性をサポートしています。
トラックやバスを主に手がける「日野」
日野自動車は、トラックやバスをメインに製造を行う自動車メーカーです。トヨタ自動車の連結子会社の1つでもあります。
元々はガス・電気に関する製品の製造を行う会社でしたが、1917年に「TGE-A型トラック」の製作に成功し、そこからトラック、バスを中心に自動車産業に着手するようになりました。
日野自動車が製造・販売を行うバスは多く存在しますが、以下では「日野セレガ」「日野メルファ」「日野リエッセⅡ」の3つをピックアップして紹介します。
観光バスや高速路線バスとしても活用できる「日野セレガ」
観光バスや高速路線バスとして活用できる大型バス。日野セレガには、「スーパーハイデッカ」「ハイデッカ」「ハイデッカショート」「リミテッドエディション」といったラインナップがあります。
セレガでは、プリクラッシュセーフティシステム(PCS)、ドライバーモニター、ドライバー異常時対応システム(EDSS)を完備しており、安全性を追求した作りとなっています。
また、燃費が良く環境にも優しい「フルオートエアコン」や、プラズマクラスターイオンで室内を除菌する「除菌イオン発生装置」をオプションで設置でき、乗り心地もとても快適です。
観光・送迎に最適な「日野メルファ」
観光・送迎に適した中型バス。日野メルファには、「ロイヤルサルーン」「スーパーデラックス」「デラックス」の3つのラインナップが用意されています。
デラックスは、前方に自動2枚折扉が設置されており、そこで乗り降りをします。客席は両側に2列ずつあり、折り畳み式のガイド席も用意されています。
ドライブから運搬までさまざまなタイプがある「日野リエッセⅡ」
日野リエッセⅡには、最上グレードの「EX」、室内装備が充実し快適なドライブが楽しめる「GX」、オプションで自分好みにアレンジできる「LX」、荷物の搬入や運搬に適した「BIG VAN」などのラインナップがあります。
ベーシックグレードであるLXでは、29人乗りと24人乗りのタイプがあり、ワンステップで乗降可能な手動スイング扉、リヤ観音扉、運転席と客席のリクライニングシートなどを完備しています。
日本を代表する一大メーカー「トヨタ」
日本を代表する自動車メーカーです。世界的にみても有名な自動車メーカーであり、2018年のトヨタグループの自動車販売台数は世界3位を誇っています。
トヨタもバスの製造・販売を行っています。以下では代表車種である「コースター」「ハイエースコミューター」の2つを紹介します。
急ハンドルや悪天候にも強い「コースター」
トヨタセーフティーセンスを搭載した、安全性に優れた次世代バス。車両安定制御システム(VSC)とトラクションコントロール(TRC)の機能により、急ハンドルや悪天候により車体が滑っても安定性を確保してくれます。
また、電子制動力配分制御(EBD)付きABSとブレーキアシストも搭載しており、ブレーキのかけ方と走行測度から、車自らが急ブレーキかどうかを察知し、必要に応じて強いブレーキをかけてくれます。
安全性と乗り心地を「ハイエースコミューター」
プリクラッシュセーフティ、レーンディパーチャーアラート、オートマチックハイビームの3つの安全機能を搭載した乗り心地と安全性を追求したバスです。
プリクラッシュセーフティでは、フロント部分から照射されるミリ波レーダーとカメラにより前方の危険を感知し、ドライバーに警報ブザーとディスプレイで注意を促します。
レーンディパーチャーアラートでは、道路の白線をカメラで捉え、ドライバーがウィンカーを出さずに車線を超えようとすると警告音とディスプレイ表示で知らせます。
オートマチックハイビームは、ハイビームとロービームがオートで切り替わるシステムです。これにより、ライトの切り替え忘れがなくなり、歩行者を見落とすことを未然に防ぎます。
中古バスはお買い得でおすすめ
バスメーカー5社と人気車種をご紹介しました。バスは新車で購入するとかなり高額でなかなか手を出すのは難しいです。一方、中古であると、価格がぐっと下がり、中には新車の10分の1の価格で販売されているものもあるので、おすすめです。
中古バスがお買い得となる理由の1つに、バスの丈夫さが挙げられます。
一般車であれば、通常20万キロほど走行すると使い物にならない状態となりますが、バスはそれ以上走行してもメンテナンスをしっかり行っていれば問題なく走行できます。そのため、型が古く破格の値段で流通しているバスも珍しくないのです。
バスの購入に興味がある方は、まずは中古バスの中から掘り出し物を探してみてはいかがでしょうか。