高速バスに補助席はある?シートベルトの義務や固定窓禁止な理由とは
バスには座席が満席だった際に利用できる補助席があります。
長時間移動に利用する高速バスにも補助席が設置されていることは多く、実際に利用する乗客もいます。
高速バスで補助席がある場合や利用するシーンについて、さらにシートベルトの着用義務についてチェックしましょう。
補助席がある高速バスではなぜ固定窓が禁止されているのかについても解説します。
高速バスに補助席はある?
トイレ付、テレビ付、3列シートなど、快適に過ごせる仕様の高速バスが増えています。
窮屈で危険な印象がある補助席を利用するシーンは少ないですが、完全になくなったわけではありません。
補助席がある高速バスとない高速バスの違いなどを解説します。
近距離移動の高速バスには補助席がある
高速バスの中には補助席がないものも多いですが、すべての高速バスに補助席がないわけではありません。
1時間程度の移動に利用される高速バスには補助席が設置されていることが多く、実際に利用する方もいます。
通勤や通学時、満員電車に乗るよりはバスを利用したいと考えるユーザーがいるため、朝の混雑時には高速バスであっても補助席を利用するシーンは多いです。
トイレ付高速バスには補助席がないことも
高速バスにはトイレ付のものもたくさんあります。
トイレ付の高速バスでは補助席がない、または利用できないことが多いです。
補助席を利用していると通路が使えなくなるため、乗車中にトイレに行けなくなってしまいます。
そのため、トイレ付の高速バスには補助席が最初から設置されていません。
ですが完全にゼロではなく、中にはトイレ付であっても補助席がある、補助席を利用できるものもあります。
長時間移動の高速バスには補助席がないことも
最初から長時間移動を目的として作られている高速バスには補助席がないこともあります。
3列シートなど、ゆったり快適に車内で過ごしてもらうことを第一に考えられている高速バスには補助席はほとんどありません。
近年高速バスは全席指定で予約するものが多く、定員に達した時点で予約を締め切るため補助席を利用するシーンも少ないです。
補助席のシートベルトは義務
高速バスの移動中の事故の頻発を受けてシートベルトの着用が義務化されました。
これは補助席でも例外ではなく、必ず着用しなければなりません。
高速バスのシートベルトには2点式と3点式がありますが、補助席の場合は2点式の簡易的なものがほとんどです。
それでもシートベルトをしていなかった場合の致死率はシートベルトをしていた場合の14倍というデータもあり、命を守るためにもシートベルトの存在を軽視しないことが大切です。
シートベルトのない補助席は利用できない
2016年に法律が改定され、シートベルトの着用が義務付けられました。
それ以前に作られ高速バスの補助席にはシートベルトが設置されていないものもあります。
シートベルトのない補助席に乗客を乗せて運行することは法律違反です。
そのため、シートベルトが設置されていない古い高速バスの場合は補助席があったとしても利用できません。
路線バス、マイクロバス、幼稚園バスには義務がない
高速バスにはシートベルトの着用義務がありますが、路線バス、マイクロバス、幼稚園バスにはシートベルトの着用義務はありません。
路線バスは短距離の移動を目的としており、シートベルトを着用していると降車、乗車に差し支える可能性があるため義務が緩和されています。
マイクロバスには基本的にシートベルトの着用義務はありませんが、シートベルトが設置されているものが多いです。近年の安全対策の面から着用を呼びかけられるシーンもあります。
幼稚園バスは引率の先生が安全を確保する役割も担っており、さらに万が一の事故の際園児が自力でシートベルトを外せないと思わぬ二次被害に繋がる可能性もあるため、着用が義務付けられていません。
シートベルトをしなかった場合の罰則
高速バスでシートベルトを着用しなかった場合、着用しなかった人には罰則はありません。
ですがバス会社が違法行為をおこなったとして罰則を受けます。
行政処分として基礎点1点が引かれ、その他の減点が積み重なると最悪営業停止命令が出る可能性もあります。
事故から身を守るためにシートベルトの着用は大切ですが、バス会社の経営を守るためにもシートベルトの着用を呼びかける必要があります。
補助席のあるバスで固定窓禁止な理由
高速バスには開閉ができる窓とできない窓があります。
開閉できない窓を固定窓といいますが、補助席がある高速バスでは固定窓は禁止されています。
その理由を紹介します。
補助席を使っていると避難できないため
補助席を使っているとバスの通路が利用できず、万が一の事故の際に乗客が避難する経路を確保できません。
開閉できる窓があれば補助席を利用していても窓から避難することが可能です。
高速バスは横転事故や火災などに巻き込まれる可能性もあり、高速バスに関するさまざまな事故もニュースになっています。
二次被害を防ぎ、速やかに避難するためにも補助席があるバスでは固定窓の設置が禁止されています。
補助席のない高速バスは固定窓でOK
補助席がない高速バスの場合は固定窓の設置が可能です。
長時間の移動を目的とした高速バスでは窓を開ける機会がほとんどありません。
そのため最初から固定窓にしていることも多いです。
通路をしっかり確保できる高速バスの場合は固定窓でも問題ありません。
前述の通り、トイレ付のバスにも通路を確保する必要があるため補助席が設置されていないことが多いです。
固定窓はコストがかかる
補助席のない高速バスには固定窓を設置できますが、固定窓を設置するためにはメーカーの標準仕様から改変しなければならず、かえってコストがかかります。
そのため固定窓にするメリットはほとんどありませんが、開閉する分のスペースをほんの少し広く利用できます。
また、開閉しなくてもいいという点を活用して車両の前から後ろまでを一枚の窓にしてしまうデザインもあります。ピラーレスと呼ばれるこの窓では座席から外の景色を見やすく、観光目的などに適しています。
デザインにこだわりつつ安全面も考えなければならないためコストは高額になりますので、バス会社はそんな高価なバスを導入するメリットは本当にあるのかをよく考える必要があります。
高速バスにも補助席はある!ルールを守って安全に利用しよう
高速バスの補助席について解説しました。
高速バスには最先端のデザインのものも多いですが、路線バスのように補助席を利用できるものもたくさんあります。
短距離の移動時などには高速バスの補助席もチェックしてみてください。
また、補助席であってもバスを利用する際はシートベルトの着用は必須です。
シートベルトを着用していないとバス会社が罰則を受けることになり、今後の経営にも関わる問題に発展します。
乗客だけでなく乗員、バス会社も安全、快適にバスを利用できるよう、補助席やシートベルトについて今一度確認してください。