高速バス会社がウイルス対策のために至急行うべき9つのこと
新型コロナウイルスは高速バスにも大きな影響を出しています。3密が生まれやすい高速バスの車内では感染リスクも高いです。
本記事では高速バス会社が至急行うべき効果的なウイルス対策を9つ紹介しています。
乗客間や従業員間の感染リスクを下げることに加え、車内にウイルスを持ち込まない対策も解説しています。
新型コロナウイルス以外の感染症に対しても有効なウイルス対策です。
安全に高速バスを運行するためにぜひ参考にしてください。
高速バス会社が至急行うべき9つのウイルス対策
高速バスのなかはウイルス感染リスクが高い空間のひとつです。しかし、適切に対策を行えば、乗客や乗務員が安心して乗車できる環境を作れます。
1. 乗客用の消毒液を設置する
バスの乗車口・座席・トイレに乗客用の消毒液を設置しましょう。
バスに乗車してから座席に行くまで、トイレと座席の往復時などに乗客はさまざまな場所を触ります。その都度手指の消毒ができる環境にしておくことは非常に重要です。
各座席にひとつずつスプレータイプの消毒液を設置し、乗客が自由に使えるようにしておけるのが理想です。
2. マスク着用と検温に協力してもらう
一部のお客様は座席に着くとマスクを外してしまいます。運行中もマスクの着用をするようにしっかりとお願いしましょう。
口頭での案内に加えて、各座席にウイルス対策の張り紙をしておくと効果的です。
加えて、乗車前に一人ひとりに検温を実施するのも重要です。
指示に従わない場合や発熱症状がある人への対応は、社内規定を作り徹底するようにしてください。
3. ウイルス対策ができる設備を配置する
車内でウイルスが飛び散らない工夫も強力なウイルス対策になります。
- 各座席に抗菌カーテンを配置して飛沫を防ぐ
- 除菌イオン発生装置や空気清浄機を配置する
- 座席設置タイプのフェイスカバーを導入する
この3つは効果が高く、乗客の目にもはっきりと見える対策です。ウイルス対策に加えて、乗客の安心感も得ることができるでしょう。
4. 乗客がフィジカルディスタンスを取れるようにする
高速バスのなかは限られた空間に多くの人がいる密の環境です。とくに4列シートタイプは抗菌カーテンの設置も難しく、乗客間の感染リスクが高くなります。
フィジカルディスタンスを確保するためには、隣り合う座席は予約不可にするのが効果的です。窓側のみの予約にすれば、乗客同士の距離を大きく取ることができます。
また、高速バス待機列でもフィジカルディスタンスがとれるようにしましょう。待機場所やバスの側面にマークを作るか、乗務員が口頭で案内するだけでも効果があります。
5. 乗客が降りたあとの消毒を徹底する
多くの人が乗り降りしたあとの高速バス車内は、どこにウイルスが付着しているか予想がつきません。次亜塩素酸水など強い消毒効果があるものを使い、通常の清掃に加えて消毒作業を徹底的に行いましょう。
- ヘッドレスト
- シート
- ひじ掛け
- 手すり
- カーテン
- フットレスト
- エアコンの吹き出し口
これらはとくに乗客が触ったり、飛沫が付着したりする部分です。ウイルス対策向けの掃除行程を決め、手袋とマスクを着用して消毒作業を行ってください。
6. 運行中は定期的な換気を行う
運行中に定期的な換気をして新しい空気を車内に入れることも重要です。
エアコンを「外気導入固定」に切り替えて運転する時間を作り、ウイルスが空気内に漂っていても排出される機会を作りましょう。
バスの換気システムにもよりますが、5分程度の換気で車内の空気が入れ替わります。
7. 社内の感染防止策をルーティン化する
乗客の安全を守り、社内でのウイルス蔓延を防ぐためには社内のウイルス感染防止ルールが重要です。
従業員の毎朝の検温・マスクの着用・手洗いとうがい・備品の定期的な消毒など、社内でウイルス感染対策をルーティン化しましょう。
新型コロナウイルスだけでなく、インフルエンザや風邪の予防にも効果的です。
8. ウイルスが付着しやすいものは使用不可にする
乗客に貸し出すブランケットやスリッパなど、ウイルスが付着しやすいものは使用不可にすることも必要です。
事前に案内を出し、必要な人は個人的に持ち込んでもらえるようにしましょう。
9. 乗客向へのウイルス対策案内を行う
高速バスを利用するお客様に向けて、会社が取り組んでいるウイルス対策の案内も重要です。
- 発熱や咳などの症状がある場合は乗車できないこと
- マスク着用と検温のお願い
- 乗車後の手指消毒のお願い
- ブランケットやスリッパ貸し出し中止の案内
これらを記載しておくことで乗客ひとりひとりのウイルス対策への意識が高まります。
換気や乗務員休憩のための停車時間が発生する場合は、それも記載しておくと理解を得られるでしょう。
ウイルス感染が疑われる乗客への対応
乗車前の検温で37.5度以上の発熱がある場合や、咳やくしゃみが激しいなど、ウイルス感染が疑われる乗客には適切な対応が必要です。
高速バスの運行会社は、正当な理由があれば道路運送法13条により乗車を拒否することができます。[注1]
ウイルス感染の疑いは乗車を拒否する正当な理由に入ります。社内規定で明確な基準を設け、安全な運行のために乗務員が乗車を断れる環境を作っておきましょう。
同時に高速バスの予約を行うお客様への周知も重要です。
窓口やインターネットの予約ページなどにわかりやすく基準を記載し、トラブルの発生を回避するようにしてください。
ウイルス感染の疑いによるキャンセルに特別措置がある場合は、それも記載しておくとよいでしょう。お客様が自主的に乗車を取りやめる可能性が高くなります。
ウイルス対策ができる車内清掃3つのポイント
ウイルス対策には乗客を降ろした後の車内清掃も重要です。3つのポイントをおさえて丁寧に清掃しましょう。
1. 清掃時にはマスクと手袋を着用する
乗客が降りたあとの車内はどこにウイルスが付着しているかわかりません。必ずマスクと手袋を着用し、ウイルスを吸い込んだり付着させたりしないようにしてください。
清掃中は首から上に触れることは避け、清掃が完了したら全身を消毒して手洗いとうがいをしてください。
2. 換気しながら清掃する
可能な限りドアと窓を開けて換気しながら掃除をすることも重要です。
掃除機で吸い込んだホコリや、座席やヘッドレストからウイルスが舞う可能性もあります。換気しながら清掃することでウイルスを排出できます。
3. 次亜塩素酸水やアルコールを使って消毒する
次亜塩素酸水やアルコールには強力な除菌・消毒作用があります。手すり・ひじ掛けをはじめ、見えるところはすべて消毒するつもりで丁寧にスプレーしてください。
エアコンの吹き出し口も忘れずに消毒しておきましょう。
ウイルス対策を行って安全な高速バスを運行しよう
新型コロナウイルスの感染者数は落ち着きを見せていますが、まだまだ予断を許さない状態です。目に見えないウイルスに対しては、可能な限りの対策を行うことが重要です。
高速バスは3密が生まれやすい場所です。しかし、ここで紹介した9つの対策を行えば車内での感染リスクを大きく下げることができます。加えて、社内規定を設けて従業員ひとりひとりの意識を高めればより安全性が高まります。
ウイルス対策は新型コロナウイルスだけでなく、インフルエンザやほかの感染症に対しても有効です。乗客の安全と従業員の健康を守るために徹底的に行いましょう。