バス点検整備の種類やチェックする項目・ポイントを解説

バス点検整備の種類やチェックする項目・ポイントを解説

バスの安全な運転を続けるには点検が欠かせません。

少しの不具合にもすぐ気づき、その都度整備をおこなうことでバスの安全運転ができます。

また、定期的な点検、整備はバスの寿命を伸ばすことにもつながります。

バスの日常点検で欠かせないチェックポイントなどを紹介します。

バス点検整備の種類

バスの点検整備で欠かせない定期点検、日常点検、車検についてそれぞれ解説します。

車検を受けているからと油断せず、定期点検や日常点検をおこなうことが大切です。

定期点検

定期点検は点検の中でもやや大掛かりな点検です。

基本的にはバスの所有会社、運転手がおこないますが、日常の点検では及ばなかった部分の点検も必要なため整備工場に依頼する、専門業者に点検に来てもらうこともあります。

この定期点検は道路運送車両第48条で義務付けられています。

定期点検ではハンドル部分やブレーキ部分、タイヤなどの走行装置、バッテリー部分や配線などの電機装置、さらに潤滑装置、冷却装置、燃料装置などの部位もチェックされます。

バスの定期点検は3か月、6か月12か月ごとに受けなければなりません。

日常点検

日頃できるもっとも手軽な点検です。

バスの日常点検は基本的には毎日おこなうようにしましょう。

営業が終わってから、または営業開始前におこなうのが一般的です。

運転席に座ったときに違和感がないか、エンジンルームに不備はないかなど、毎日確認すべき項目はたくさんあります。

とくに自家用車と違いバスは多くの乗客を運ぶ乗り物です。

少しの不備が事故につながり、多くの命を左右する可能性もあります。

日常点検でも油断せず、責任感を持っておこなわなければなりません。

日常点検は軽視されがちですが、道路運送車両法第47条において使用する際に目視で点検することが義務付けられています。

日常点検にはバス一台ごとに点検表を用意する必要があり、この点検表は1年間保管することという決まりもあります。

点検表の項目に規定はありませんので、各バス会社で用意しなければなりません。

車検

乗用車だけでなくバスなど国に登録されている車両は道路運送車両法によって車検を請けなければなりません。

バスの車検の有効期間は1年間です。

車検も定期点検と同じように、整備工場や専門業者に依頼することがほとんどです。

バスの日常点検を怠るリスク

バスの点検をする人たち

バスの日常点検はバスの安全な走行のために欠かせません。

日常点検を怠ると事故を起こす可能性が高くなります。

それだけでなく、燃費が悪くなってガソリン代が高くつく、定期点検の際に重大な不備が見つかると部品の交換や大掛かりな修理になるなど、費用面でもリスクが高まります。

上記で解説した通りバスの日常点検は道路運送車両法第47条で定められています。

この日常点検を怠ることは法律違反となり、未実施6回だと初回は警告ですが、それ以降になると違反した車両の数×3日から10日の営業停止命令が出ます。

停止命令が出ている間はナンバープレートが外されるので勝手に走行することは許されません。

その期間中はバスを運行できないため売り上げを確保できず利益を確保できないだけではなく、「点検を怠っているバス会社」という印象が強くなり利用客が減ってしまう可能性もあります。

バスの定期点検が未実施の際の罰則

バスの定期点検が未実施だった際は日常点検を怠った場合よりも厳しい罰則が用意されています。

未実施1回で警告が出され、再度違反した場合は違反車両×5日間の営業停止命令が出ます。

未実施が3回以上になると最大20日間×違反車両分の営業停止命令が出ます。

再度営業を開始するには車両を点検しなければなりませんが、点検には費用がかかります。

営業停止で利益がない中点検にかかる費用を捻出しなければならず、会社の損失は莫大なものになるでしょう。

さらにそのバス会社のすべての車両で定期点検が未実施だった場合は事業停止処分となることもあります。

定期点検は安全な運転のために欠かせません。これを怠ることで大事故につながり、運転手や乗客だけでなく歩行者も事故に巻き込んでしまうかもしれません。死亡事故を起こした後に点検の未実施が発覚したトラック会社の従業員が逮捕された事例もあります。

バスの日常点検でチェックする項目

ブレーキペダル

バスの日常点検の項目に法律の規定はありませんが、より詳細な日常点検表を作成することで安全な走行ができます。

バスの日常点検でチェックしてほしい項目を詳しく解説します。

すべての項目に問題がないことを確認する、誰がいつ確認したのかを明確にする点検表を作成してください。

ブレーキ部分

ブレーキペダルの踏み込みに異変はないか、液量に問題はないか、空気圧力計は正常か、さらに排気音に異変はないかを確認してください。

バッテリー部分

バッテリーの液量は必ず確認してください。

液量不足はエンジンが作動しなくなる、大事故につながる可能性につながります。

タイヤ部分

タイヤの空気圧に異変はないか、タイヤに亀裂や損傷はないかを必ず確認してください。

一つのタイヤだけが異常に消耗している場合、バス自体に問題がある可能性があります。

さらにホイールの取付状態の確認も忘れずにおこないましょう。

ランプ部分

ランプがきちんと点灯しているか、点滅はしていないかを確認しましょう。

ランプ部分が汚れていると前後を走る車に適切な指示を出せず、事故に繋がる可能性もあります。

汚れている場合はきちんと拭き取らなければなりません。

セルフで落とせない汚れはすぐ業者に清掃を依頼しましょう。

ワイパー、フロントガラス部分

ワイパーがきちんと作動するか、ワイパーゴムが消耗していないかを確認してください。

ワイパーゴムの交換を怠るとフロントガラスを傷つける原因にもなります。

フロントガラスの傷は運転手の視界の妨げになり、事故につながる可能性を高めます。

バスのフロントガラスの交換は高額になりますので、コスト削減のためにもワイパーゴムは定期的に交換しましょう。

原動機部分

冷却水は適量か、ファンに異変や損傷はないか、さらにエンジン、オイルに不足がないかも確認してください。

その他の車内点検

バスの乗客が安全に車内で過ごせるように、車内の点検も欠かせません。

車椅子を固定する装置はきちんと止まるようになっているか、シートベルトはすべての座席できちんと機能するかなどのポイントがあります。

さらに運転席に座ってみて、バックミラーやサイドミラーが汚れていないか、曲がっていないかなどの確認も必要です。

整理券が出るか、カードリーダーは機能しているか、降車ボタンは作動するか、ドアは正常に開閉するかといった点も重要な確認項目です。

バスの日常点検が運転の質を左右する

バスの点検の種類について解説しました。バスは定期点検、車検の他、日常点検からも状態を確認しなければなりません。

日常点検は従業員任せになることが多いので、きちんと表やマニュアルを作成し、常に全員が同じクオリティの点検をできるようにしておきましょう。

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