バスの乗車マナーは絶対厳守!乗客に守ってもらうための施策
みんながバスを気持ちよく利用するためには、乗客の一人一人が乗車マナーを守ること必須となりますが、残念ながら近年はバス乗客の乗車マナー違反が目立つようになってきているのが現実です。
バス運転手などのバス乗務員が、特に注意しておかなければいけないバス乗客のマナーとはどんなものか、バス乗客にマナーを守ってもらうためにはどんな対策をすればいいのか、今回はそれらについてご説明します。
バス乗務員が注意しておくべき、バス乗客の乗車マナー
バス運転手などのバス乗務員が注意しておくべき、バス乗客の乗車マナーとして特に重要なものについてご説明します。
座席の移動
バス移動中の座席移動は非常に危険ですので、座席移動をしたい場合でもバスが止まってからにするようしっかり呼びかけましょう。
もちろん、観光バスや夜行バスなどで座席が指定されている場合は、たとえバスが止まった状態であっても、許可なく指定された席以外に移動することはマナー違反です。
観光バスや夜行バスに空席があり、その空席に対しての移動を認める場合であっても、移動が認められるのはあくまでそうした趣旨のアナウンスが出てからであることを車内の掲示物や乗車時のアナウンスなどで伝えておきましょう。
スマホなどでの通話やゲーム
乗客がバス車内でスマホなどでの通話やゲームをすることも、マナー違反と見なされることが多いです。
スマホはマナーモードにして通話はしないよう、そしてゲームは音を出さないようにするよう呼びかけましょう。
あと、夜行バスの場合はたとえ声や音を出さない状態であっても、明るい画面を操作し続けること自体が周りの乗客への迷惑となってしまう可能性があります。特にバス消灯後はそうした明かりがかなり目立ってしまいますので、消灯後はそれらの利用を控えるようアナウンスすることも大切です。
座席の使い方
乗客同士が座席の使い方をめぐってトラブルになるケースも少なくありません。
路線バスなどで座席に荷物を置いて他の乗客が座れないような状態にしてしまうことや、大きく足を広げるなどして1座席以上のスペースをとってしまうのがマナー違反であるのはもちろんのこと、観光バスや夜行バスなどでリクライニングを使用する際にいきなりリクライニングを最大まで倒す、というのもトラブルになりがちなマナー違反です。
座席のリクライニング機能を使うこと自体は乗客の権利のひとつではありますが、リクライニング時に後ろの乗客に一声かける、リクライニングは勢いよく倒すのではなくゆっくり倒す、などといった配慮をしてもらえるよう呼びかけましょう。
車内での飲食
車内で乗客が飲食を好き勝手にするような状態だと、においや音、さらに食べかすが落ちることなどが気になる状態になってしまいます。
路線バスや短距離の送迎バスなどの場合は飲食禁止というルールをもうけるケースもありますし、一般的に飲食が認められている観光バスなどであっても、においの強い食べ物は控えてもらうことや、飲酒は節度をもって適量に抑えてもらうよう呼びかけましょう。
シートベルト着用
乗客用のシートベルト設備がない路線バスはともかくとして、シートベルト設備がある観光バスや夜行バス、送迎バスなどは乗客にシートベルトの着用を徹底させることが非常に大切です。
平成28年の「シートベルト着用に関する統計」によると、死傷者数に占める死者数の割合=致死率がシートベルト着用者の場合は0.18%であるのに対してシートベルト非着用者の場合は2.65%となっており、なんと着用者の14.5倍という高い致死率となってしまっています。[注1]
こうした現実があるからこそ、シートベルトの着用を徹底させるよう心がけることは乗客の命を守るために必須のこととなります。「シートベルト着用は法律上のルールだから形式上だけでも呼びかけておかないと」という意識ではなく、心からの呼びかけで着用を徹底させましょう。
バス乗客に乗車マナーを守ってもらうための対策
バス乗客に乗車マナーを守ってもらうための対策としては「乗客がバス車内でどんなマナーを守るべきなのかを知ることができる機会を増やすこと」が非常に重要となります。
そのためにまずは、バス内で乗車マナーについてしっかりアナウンスをすることが必要です。1回かぎりのアナウンスではなく、乗客が乗るたびに主要な乗車マナーについてアナウンスするなど、繰り返しアナウンスすることを心がけましょう。
さらに、路線バスの場合は車内の目立つ場所にマナーに関する掲示をする、観光バスや夜行バスの場合は座席ポケットに乗車マナーに関する注意書きを入れておき、さらにテレビ画面を使って映像でも乗車マナーについての説明をするなどの工夫をしましょう。
あの手この手で「このバスで守るべき乗車マナーはどんなマナーか」を乗客が耳や目で知る機会を増やすことが大切です。
注意をしても聞かない乗客に対する対応は?
バス運転手などが注意をしてもそれを聞かず、迷惑行為やマナー違反をやめない乗客に対しては、さらに強く注意をする、バス会社に相談したうえで最寄りのバス停で降車させるなど強い対応をとることも可能です。
しかし、注意されてもなお迷惑行為やマナー違反をやめない人の中には、他人を傷つけることをいとわないような人間性の持ち主も存在します。そのような人間に強すぎる対応をとってしまうと、運転手や周りの乗客が危険にさらされるリスクもあります。
マナー違反や迷惑行為をやめさせることは大切ですが、それ以上に運転手自身が自分の身の安全を守りながらバスの運行をして、他の乗客を目的地まで安全に運ぶということがもっとも大切なことです。
身の危険を感じるほどの相手、他者に危害を加えかねない態度をとる相手に対してはあまり無理をせず、自身と乗客の身を守ること、バス運行の任務を遂行することを最優先に考えて慎重にやり過ごしましょう。
その後、バス会社には迷惑客に関する報告をきちんとして、場合によってはバス車内カメラの映像を警察などに見せて相談するなどの対応をとっていきましょう。
バスの乗車マナーを守ってもらうには「守るべきマナーを知ってもらうこと」が大切
バス乗客に乗車マナーをしっかりと守ってもらうためには、そのバス車内においてどんなマナーを守るべきなのか、それを乗客に知ってもらうことが不可欠となります。
守るべき乗車マナーを乗客に理解してもらうためには、バス運転手などのバス乗務員が特に重要な乗車マナーをしっかりと把握したうえで、車内アナウンスや掲示物などを利用して、乗客の耳や目に対して繰り返しマナーについての説明をしていくことが大切です。
乗務員にとっては、マナーのアナウンスなどは日々同じことの繰り返しだと思えてしまうかもしれませんが「今乗車している乗客の中には、このバス車内のマナーについてあまり知らない人がいるかもしれない」ということを常に頭に置いてしっかりとアナウンスをしていくよう心がけましょう。