高速バス会社の休業・運行休止中に行うべき3つのこと
新型コロナウイルスはさまざまな事業に影響を与えましたが、高速バスなどの交通手段も大きなダメージを受けています。
多くの人が長距離の移動を控え、出張などビジネスシーンでの利用者も激減しました。
そのため休業せざるを得なくなっている高速バス会社も多いです。
休業中の高速バス会社は何をすればいいのか、得られる助成金などはあるのかについて確認しましょう。
2020年から現在までのバス業界について
新型コロナウイルスが拡大した2020年から、バス業界は大きく変わりました。
観光バスや高速バスを利用する人が激減し、減便、運休を余儀なくされるケースが多くなりました。
とくに路線バスと高速バスを運行しているのではなく高速バスのみを運行しているバス会社への打撃は大きいです。
従業員の雇用を守るための制度が誕生していますが、これまで通りに給与の全額や残業手当などを受け取れなくなり、退職を余儀なくされる運転手も増えています。
高速バス会社の休業期間中に行うべきこと
新型コロナウイルスの影響により休業を余儀なくされている高速バス会社が休業期間中にすべきことを紹介します。
再開に向けて感染症対策を万全にする、社員のスキルアップをする、助成金を調べて申請するなど、休業中にも高速バス会社の運営を継続させるためにすべきことはたくさんあります。
感染症対策を万全にする
高速バスが減便しても、会社が休業に追い込まれても、高速バスの需要が完全になくなったわけではありません。
やむを得ない事情で長距離の移動のために高速バスを利用する人もいます。
また、長時間密閉された空間で多くの人と過ごすことになる高速バスに抵抗があるという人のために感染症対策を万全にしていることをアピールすることで、乗客を呼び戻しやすくなります。
高速バスの車内ではどんな感染症対策ができるかを再度確認し、運航再開に向けて感染症対策を万全にしておきましょう。
感染症対策をマニュアル化する
運転手や乗客のアルコール消毒、車内の清掃方法、換気の時間帯など、感染症対策を徹底するにはさまざまなルールを決めなければなりません。
これらを社員全員に共有できるようにマニュアル化しましょう。
どの運転手がどのバスに乗車しても同じ感染症対策ができるよう、清掃方法など細かい点も指導することが大切です。
また、社員が新型コロナウイルスに感染してしまうと運行できるはずだった高速バスも運休に追い込まれてしまいます。
そうならないよう、社員の感染症対策についても今一度徹底しましょう。
空気清浄機の導入
高速バスの車内が密閉された空間にならないよう、定期的に車内の換気をしなければなりません。
ですが常に窓を開けっぱなしにするのは、排気ガスなどが気になる高速バスでは控えたいというバス会社もあります。
その場合は空気清浄機を導入する方法もあります。
車用の空気清浄機を設置しているということは感染症対策の一環としても十分にアピールできるポイントです。
感染症対策を徹底している高速バスを選びたいというユーザーを呼び込みやすくなります。
ビニールシートや使い捨てカバーの導入
飛沫による感染を防ぐためにビニールシートを導入しているところはたくさんありますが、高速バスにもこのビニールシートを導入できます。
最近はバス専用のビニールシートや飛沫対策用のガード板なども登場しており、取り入れやすくなっています。
座席一つ一つに使い捨てのカバーを用意することで飛沫や接触による感染をさらに防げます。
終息後のためのスキルアップ
現在は減便、休業に追い込まれているケースが多い高速バス業界ですが、この状況がずっと続くわけではありません。
新型コロナウイルスの感染が終息すれば、長距離を格安で移動できる高速バスの需要はこれまで通り戻ってくるでしょう。
その際に運転手が足りていないと思うように営業できなくなってしまいます。
高速バスの運転には高い技術が求められ、すぐに大量に採用できるものでもありません。
この時期にやみくもに解雇してしまうと再度同じように人員を集めるのは難しいでしょう。
現在抱えている従業員を解雇せず、さらにスキルアップのための研修などをしておく必要があります。
助成金などに申請する
新型コロナウイルスの影響により多くの交通機関が打撃を受けました。
それに伴い、国や自治体はさまざまな助成金制度を作っています。
これらに申請し、助成金を受け取れば高速バス会社の経営を維持しやすくなります。
国や自治体、さらに助成金制度によって条件や得られる金額には大きな違いがあります。また、情勢を鑑みてこれらの制度は日々変化しています。
条件に当てはまる制度がないか常にチェックしておきましょう。
高速バス会社の休業で申請できる補助金
休業してしまった高速バス会社が申請できる補助金、助成金制度にはどんなものがあるのか紹介します。
雇用調整助成金
厚生労働省が制定した雇用調整助成金は、事業を休業、縮小せざるをえなくなった際に休業手当の一部をサポートしてくれるものです。
基本的には1年間の内100日まで、3年間で150日までという規定がありますが、新型コロナウイルスの影響から現在は緊急対応期間中になっており、さらに追加して補助を受けられます。
通常時の規定よりも現在は金額も対象となる企業も拡大しており、今後も状況から内容が変化する可能性はおおいにあります。
常に最新情報を確認しておきましょう。
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金
新型コロナウイルスの影響拡大によって内閣府から誕生したばかりの制度です。
各自治体によって条件は違いますが、感染拡大の防止措置を取っている、雇用の維持を目的としているなどの事業はこの交付金を受けられます。
感染症対策を万全にしたり従業員の雇用を守ったりなどの対応をしている高速バス会社は自治体の定めるルールを確認してみましょう。
各都道府県が定める補助金・助成金制度
その他にも、香川県の「香川県公共交通機関感染拡大防止対策費補助金」や青森県の「地域公共交通基盤維持特別対策事業」、岩手県の「バス事業者運行支援交付金」など、新型コロナウイルスの影響を受けた事業や交通機関、高速バス会社などを守るための制度を各都道府県、各自治体が制定しています。
バスの1運行にあたり一定の補助金が支払われる、感染症対策のための設備を導入する費用をサポートしてくれる、運行に必要な経費をサポートするなど、制度によっても内容は大きく違います。
各自治体が定める制度を確認して、申請漏れのないようにしましょう。
高速バス会社の休業・休止期間を無駄にしないために
新型コロナウイルスにより大きな打撃を受けたバス業界ですが、休業、休止期間にもできることはたくさんあります。
また、休業に追い込まれた企業を救うための補助金、助成金制度なども次々に発足しています。
バス会社を守るだけでなく従業員の雇用を守る、バス業界の未来を守るために、感染症対策や運転手のスキルアップ、さらに助成金の利用などを欠かさないようにしましょう。