【インバウンド対策】外国人がバスを利用する4つの理由
観光や仕事を目的として来日した外国人は電車だけでなくバスを利用することも多いものです。本記事ではバスのインバウンド需要や、外国人がバスをより快適に利用するための課題について考えていきます。
外国人がバスを利用する4つの理由
バスにはほかの交通手段とは異なるさまざまな魅力があります。まずは、外国人が日本のバスを利用する理由についてチェックしていきましょう。
運賃が安いから
ほかの交通機関と比較してリーズナブルなのが、多くの外国人がバスを選ぶ大きな理由です。
インバウンドの外国人にとって交通費は大きな出費となります。旅行中には宿泊費や食費など、ほかにもさまざまな出費が発生するものです。交通費を安くするために、新幹線や在来線ではなくあえてバスを選ぶケースが増えています。
利用しやすいから
日本のバスを利用しやすいと感じ、あえてバスを選ぶ外国人も少なくありません。
特に、大都市圏にあるバスターミナルには有人カウンターや案内ポートが併設されており、不明点をすぐに確認することができます。バスのルートや時間、料金などをその場で確認できれば、不安なくバスを利用することが可能となるのです。
目的地に直行できるから
バスの機動性も外国人から大きく評価されています。
例えば新幹線は、東京駅や上野駅、品川駅など大きな駅にしか停車しません。新幹線を下車したあとには、任意の目的地を目指すために別の交通機関に乗り換えたり歩いたりする必要が生じます。
鉄道を使えばある程度目的地の近くまではたどり着くことができます。しかし目的地が鉄道駅から遠く離れているという場合、電車での移動はとても不便に感じられるものです。
バスは鉄道に比べて機動性が高く、目的地のすぐ近くまで直行できるのが魅力です。鉄道路線が少なく交通利便性の悪いエリアでも、バスを使えば比較的スムーズに移動することが可能となります。
夜間の移動ができるから
夜行バスの利便性は、外国人から高い評価を集めています。
日本国内では真夜中に新幹線や電車で移動できないのが一般的です。かつて人気を集めていた夜行列車も、近年では多くが廃止されています。
これに対して、バスの夜行便の本数は数多くあります。各地に向かう夜行バスが複数本用意されているので、お好みのバスを選んで乗車することができます。
バスの中で眠っているだけで翌朝には目的地に到着できるのが夜行バスの大きな魅力です。日本の夜行バスは、効率よく日本を観光したい外国人に多く選ばれています。
バスに不便さを感じてしまう外国人もいる、その理由は?
バスは外国人観光客から人気を集める交通手段です。しかし中には、バスでの移動に不便さを感じる外国人もいます。
外国人はバスのどのような点を不便と感じているのか、チェックしていきましょう。
案内がわかりにくいことがある
大きなバスターミナルではバスの行き先や乗り場、利用方法などに関する詳しい案内が用意されていることがほとんどです。案内板やサイネージ、案内ポートや有人カウンターなどを利用すれば、不明点はある程度解消できます。
しかし、初めて訪れる地ですぐに行き先や乗り場を把握するのはなかなか難しいものです。小さなバスターミナルでは十分な案内がなく、必要な情報を得られないこともあるかもしれません。
日本語が分からない
バス乗り場の案内で日本語が分からず悩まされる外国人もいるものです。最近では英語に加え、中国語など多言語表示に対応するバスターミナルも増えてきました。しかし、十分な多言語対応ができていないバスターミナルもまだまだ少なくありません。
言葉が通じないことは、バスを利用したい外国人にとって大きな障壁となってしまいます。
決済手段が少ない
バスの運賃を支払う決済手段も外国人にとって悩みのタネとなることがあります。
クレジットカードやデビットカード、モバイルペイメントなどさまざまな決済手段に対応しているバスであれば安心して利用できます。しかし路線によってはこういった決済手段に対応していないことがあり、支払いに困らされる方もいるものです。
無線LAN環境が悪い
移動中の社内やバスを待つターミナルに無線LAN環境が完備されていれば安心です。パソコンやスマホ、タブレットなどを持ち歩く外国人にとって無線LANの有無は重要なポイントです。
バスを選ぶときに、公衆無線LANサービスを完備しているか否かをチェックする方も数多くいます。
狭さを感じる
バスの車内に狭苦しさを感じ、バスの利用を敬遠するという外国人もいるものです。運賃が安価な分、どうしてもバスの車内は簡素になりがちです。
とはいえ最近では3列シートのバスや通路を広く取ったバスなどが増えています。こういったバスは、車内でのびのびと過ごしたい方に向いています。
外国人のバス利用をより増やす4つの方法
バス路線の維持のためには多くの方がバスを利用することが必須となります。インバウンド需要を見越して、外国人がバスを利用したくなるような対策を講じてみましょう。
具体的には、以下のような対策が効果的です。
外国語翻訳に対応する
バスターミナルや乗り場の案内はできるだけ多言語に対応していたほうがよいでしょう。また、掲示板の案内に英語や中国語を加えるのも重要なポイントです。
多言語対応ができるスタッフを配置するのが難しいときには、翻訳機を導入するなどの対処をしたいものです。
多彩な決済手段に対応する
決済手段は現金のみに限定するのではなく、できれば複数の決済手段に対応したいものです。クレジットカードやデビットカード、交通系ICカードやモバイルペイメントなど、いくつかの決済を導入しましょう。たったこれだけのことでも、バスの利用者は増加しやすくなるものです。
無線LAN環境を整える
バスの車内やターミナルで使える高速無線LANの環境を整えるのも有効な方法です。
公衆無線LANのサービスには速度が劣るものもあります。状況によっては、無線LANを利用する外国人にストレスを与えてしまうことがあるかもしれません。速度の早い無線LANを使える環境を整えることが、利用客増加につながります。
オリジナルのツアーを企画する
バス会社や観光会社がオリジナリティの高いツアーを企画して外国人観光客を集めるという手段も考えられます。
バス移動を軸としたツアーは、気軽に参加できることから注目を集めています。また、比較的リーズナブルな価格でツアーを設定できるのもバスツアーのメリットです。
バスツアーを通してバスの魅力を伝えることができれば、バスの利用者を増やしていくことができるかもしれません。
多言語化やWi-Fiなど外国人がバスを快適に利用できるよう工夫しよう
外国人にとって日本のバスは、リーズナブルかつ便利に利用できる乗り物です。しかし一方で、バス利用にストレスを感じている外国人もいるものです。
外国人のバス利用をより促進する方法はいくつも考えられます。特に重要なのは多言語に対応できる仕組みを作ることです。
決済方法を増やしたり無線LAN環境を整えたりといった対処であれば、比較的手軽に行えます。また、思い切ってオリジナルのツアーを企画するのもいい方法です。
さまざまな工夫を講じて、バスの利用者をどんどん増やしていきましょう。