災害時におけるバスの活用方法は?事例を交えて詳しく解説

災害時におけるバスの活用方法は?事例を交えて詳しく解説

地震や台風などの災害が発生すると、普段の交通手段が使えなくなる可能性があります。

そこで現在注目されているのが、災害時におけるバスの活用です。

既に災害時のバス活用の取り組みを行っている自治体も多く、万一の場合の災害対策に役立てられています。

本記事では災害時におけるバスの活用方法や、具体的な事例をご紹介します。

災害時に起こり得る交通手段の課題

災害時に起こり得る交通手段の課題

大規模な地震や台風などの災害が発生すると、交通手段において以下のような課題や問題が発生します。

鉄道の不通

大規模災害が発生すると、脱線や施設の損傷などにより、鉄道が不通になってしまうことがあります。

障害の解消に時間がかかるのはもちろん、地震の場合は余震の影響で鉄道の運行に支障を来すこともあり、運転が再開されるまでにかなりの日数を要する場合があります。

自動車の破損、浸水

大規模な地震や台風などが発生すると、横転や飛来物、浸水などによって自動車が破損・故障してしまうことがあります。

日常的に自動車を利用していた場合、移動手段がなくなってしまい、災害時の避難やその後の日常生活に支障を来すおそれがあります。

渋滞の発生

大規模災害によって鉄道が不通になると、外出先から自宅に戻れなくなる帰宅困難者が発生します。

帰宅困難者は自宅にいる家族にマイカーでの迎えを依頼したり、タクシーを利用したりして帰宅を試みますが、同じエリアでマイカーやタクシーの利用が増加した場合、周辺に交通渋滞が発生しやすくなります。

災害時におけるバスの活用方法

地震や台風などの災害が発生した場合のバスの活用方法や役割は大きく分けて5つあります。

1. 避難所への輸送

災害の規模によっては、最寄りの避難所への避難を求められる場合があります。

一度に複数人を輸送できるバスを利用すれば、被災者を最寄りの避難所に効率よく輸送することが可能です。

特に、災害によって自動車が破損・故障し、移動手段がなくなった方や、高齢で徒歩での移動が困難な方の貴重な交通手段となります。

2. 帰宅困難者の輸送

災害時、帰宅困難者がマイカーやタクシーを利用すると交通渋滞が発生しやすくなります。

しかし、一度に大人数を輸送できるバスを活用すれば、被災エリア内での交通量が減り、渋滞リスクを軽減できます。

帰宅困難者にとっても、長時間にわたってタクシーを待つ必要がなくなるなど、大きなメリットがあります。

3. 鉄道の代行輸送

災害によって鉄道が不通になった際、代替手段としてバスによる代行輸送を行うという方法があります。

災害発生直後の帰宅困難者の輸送だけでなく、鉄道の運行が再開されるまでの間、通勤や通学、日常生活の移動手段として重宝します。

4. 災害対策に必要な人員や資材の輸送

大規模な災害が発生した場合、ライフラインや施設の復旧などに人員や資材が必要になります。

被害の状況によっては、他県などから人員や資材を調達しなければならないケースも多いですが、大規模災害発生時は鉄道が不通になっている可能性が高いため、人員の派遣や資材の調達が送れるおそれがあります。

バスを活用して災害対策に必要な人員や資材の輸送などを行えば、被災地の復旧をスムーズに進めることが可能となります。

5. ボランティア要員の輸送

被災状況が深刻な場合、現地の人だけでは復旧や復興に時間がかかってしまうことがあります。

その場合、ボランティアを募って復旧・復興の手助けをしてもらうことがありますが、個人で被災地まで向かうのはハードルが高く、必要な人員が集まらない可能性があります。

バスを利用してボランティア活動を希望する人員をまとめて輸送すれば、被災地に必要な人員をすばやく送り届けられる他、ボランティア参加へのハードルも低くなり、一石二鳥の効果を期待できます。

災害時におけるバスの活用事例

災害時におけるバスの活用事例

災害対策として実際にバスが活用された事例を3つご紹介します。

茨城県境町の事例

茨城県境町は、南西部に利根川が流れている平坦な地形の町です。

そのため、台風や大雨などによって雨量が増え、利根川が氾濫した場合は町のほぼ全域が浸水すると予想されています。

そこで町では、町民を対象に災害に関するアンケート調査を実施。その結果、2,000人を超える町民が避難所への移動手段を持たないことが判明しました。

町内には鉄道が走っていないことから、町では有事の際の移動手段として47台のバスを災害対策として確保。

令和元年10月12日に日本に上陸した台風19号の際は、計11台のマイクロバスを利用し、約260名を避難所に輸送しました。

具体的な方法としては、町内の公民館を臨時のバスターミナルに設定し、町民に各々集まってもらい、バスの発着を実施。道中では道案内や避難者名簿の作成なども行われました。

同町では、災害時のバス利用の体制や手順などを事前にしっかり準備していたこと。バス事業者との関係もあらかじめ構築していたことが、スムーズな避難者の輸送につながったと考えられています。

埼玉県加須市の事例

埼玉県加須市は、盆地状になったエリアの中心部にあることから、水害のリスクを抱える地域とされています。

特に市の北川辺地域は、利根川と渡良瀬川に挟まれていることから、二つの河川の堤防が災害によって決壊した場合、5m以上の浸水が予想されています。

以上の理由から、大規模な水害が発生した場合は市内に留まることが難しく、広域避難が必要になります。

そこで市では、市内に営業所や事業所があるバス事業者と協定を締結し、災害時にバスによる広域避難を行う計画を策定。

台風19号の際は、市からの要請に基づいて10台のバスが出動し、計15回の避難輸送を実施しました。

具体的な方法としては、小学校等の指定避難所をあらかじめ集合場所に指定し、小学校区単位で避難を実施。住民は集合場所まで各自移動し、そこからバスで広域避難所に移動しました。

台風19号の際は、想定よりも避難指示が早まりましたが、バス事業者との連携を図っていたことから、事業者への配車依頼もスムーズに行われました。

鹿児島県鹿児島市の事例

鹿児島市は、鹿児島湾にある活火山・桜島の噴火の影響を受けやすい地域です。

桜島が噴火した際は、大きな噴石が市内に飛来するおそれがあるため、居住地域の一部に避難等を呼び掛ける場合があります。

令和4年7月24日に爆発が発生した際は、鹿児島市は一部の町に避難指示を発令。東桜島合同庁舎より避難用バスを出動させ、高齢者福祉センターに避難者を輸送しました。

災害時では一度に大人数を輸送できるバスが活躍する

大規模な災害が起こると、鉄道が不通になったり、自動車が破損・故障したりするおそれがあります。

災害時は避難が必要な人や帰宅困難者が続発するため、万一の時に備えてこれらの人々を輸送する手段を整えておくことが大切です。

バスはマイカーやタクシーに比べると、一度に大人数を輸送できるため、避難活動や帰宅困難者の支援に役立ちます。

また、鉄道は復旧までに時間を要することから、被災地の貴重な移動手段としても重宝します。

自治体もバス事業者などと連携し、バスを利用した災害対策に乗り出しているため、今後も災害時にバスを活用する事例は増えていくことでしょう。

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