バスの無賃乗車のお客様への対応や予防策を詳しく紹介

バスの無賃乗車のお客様への対応や予防策を詳しく紹介

バスの無賃乗車は、バス会社にとっては深刻な問題です。

バスは電車とは違い、無賃乗車が発覚しにくく、言い逃れしやすい条件が揃っています。

過去にバスの無賃乗車をしたときもバレなかった、見逃してもらえたという経験から無賃乗車を繰り返す乗客も少なくありません。

そんなバスの無賃乗車が発覚したら、お客様にどのような対応をすればいいのかを見てみましょう。

無賃乗車を未然に防ぐ対策についても紹介します。

バスで乗客の無賃乗車が発覚したときの対応

バスの無賃乗車が発覚した際、まずはそのお客様が故意に無賃乗車をしたのか、故意ではなく無賃乗車という形になってしまったのかを確認しましょう。

それによって対応も変わりますので、マニュアルなどを作成して運転手がみんな同じ対応をできるようにしておくことも大切です。

故意に無賃乗車をした場合

バスの無賃乗車を故意におこなうのはれっきとした犯罪です。

バスの無賃乗車はバレにくく、バレても軽い注意で済まされることが多く、何年にも渡って無賃乗車を続けていた、という事例もあります。

バスの無賃乗車が発覚したら基本的にはすぐその人の身元を確認し、しかるべき対応を取ります。

身分を証明できるものを提示してもらい次回に今回の分を支払ってもらう、常習犯であればバス会社連絡、警察に通報するなどの対応が必要です。

バスの無賃乗車は深刻な問題であり、発車時刻に遅れるから、他の乗客に迷惑がかかるからという理由で見逃してしまうと常習犯になりやすいです。

「あの運転手は見逃してくれた」「この時間帯ならバレにくい」「このバス会社は対応が甘い」と一度認識されると何度も無賃乗車をされてしまうので、発覚した段階で厳重に取り締まる必要があります。

無賃乗車に対して厳密なマニュアルを作成しているバス会社は少なく、運転手の判断任せになっていることがほとんどです。対応にバラつきがあると運転手の負担にもなってしまうため、無賃乗車が多いようであれば今一度マニュアルを見直しましょう。

無賃乗車が故意でない場合

定期券が切れているのに気づかず提示し、運転手も期限切れを見落としていた場合や、高額紙幣しか持ち合わせておらず両替できない場合、整理券を受け取り忘れていた場合など、バスは電車とは違い「無賃乗車になってしまった」とあとから気づくケースも少なくありません。

その無賃乗車が故意でなかった場合、正確には法には問われません。

犯罪は「そのことが悪いことだとわかりつつ、また別の選択肢があったのにも関わらずそれをした」際に成立します。

そのため、故意でない無賃乗車の場合は罪にはなりませんが、その分対応はバス会社に任されます。

バス会社からの対応としては「次からは気を付けてください」という忠告で終わらせてしまうことが多いです。

「次回の乗車の際に今回の分の運賃も支払ってください」と言う場合も。ですがこの際に誓約書などは書きませんし、支払わなくても気づかれるケースはほとんどありません。

バス会社によって対応は違うものの厳しい対応をするケースは少なく、一度おいしい思いをした乗客が次回以降も故意ではない風を装って無賃乗車を繰り返す可能性もあります。

最近無賃乗車が多い、同じような理由で無賃乗車をする人が多いと感じたらドライブレコーダーや車内の監視カメラを確認したり、バス会社の運転手同士で情報を共有して注意喚起をすることも大切です。

バスの無賃乗車を事前に防ぐことはできる?

バスに乗る

バスの無賃乗車は常習化しやすいですが、それは「一度甘く診てもらえた」「見逃されたケースを実際に見掛けた」という経験から来る場合が多いです。

無賃乗車を未然に防ぐためにしっかり対策をしておけば、このような常習犯を増やすことを防げます。

どんな方法があるのかを見てみましょう。

抜き打ちで検査をおこなう

バスは一般的には運転手が一人ですべてを対応します。運転席に座りっぱなしなので、乗客が切符や整理券を取る場面をすべて確認するのは不可能です。

そのため乗車時に不正が発生しやすいです。

無賃乗車を未然に防ぐためには、抜き打ち運転手とは別のスタッフを一乗車口に配置するのがおすすめです。

乗車券、整理券をきちんと受け取っているか、刻印が必要なものは乗車時にきちんと刻印を押しているかなどを確認し、不正を発見した際にはすぐに声をかけてしかるべき対応をおこないましょう。

スタッフを一名配置することで人件費が余計にかかってしまいますので、無理のない頻度でおこなわなければなりません。

乗客に協力してもらう

バスの無賃乗車の中で「一万円札しか持っていないから乗車料金を支払えない」といって料金を支払わないケースは少なくありません。

バスの両替機は千円札や五千円札には対応していても、一万円札に対応していることは少ないためです。

お金は持っているものの支払えないということで多めに見てもらえることもありますが、常習化している可能性もあります。

しっかり対応するためには、乗客に呼びかけるという方法もあります。

車内アナウンスで一万円を崩せるお金を持っている人がいないかを聞き、協力してもらうという方法です。

実際に協力してもらったという例もあり、所持しているお金の種類を理由にした無賃乗車を未然に防げます。

無賃乗車の罰則を周知する

バス会社にはそれぞれ運送の決まりである運送約款があります。

無賃乗車における罰則は例外もありますが、その運賃の二倍の金額を無賃乗車した日数分だけ一括で支払うことを求めるものが多いです。

これを知らない乗客は多く、「ちょっとくらい多めに見てもらえる」という油断から無賃乗車を繰り返してしまいます。

バスの座席のよく見える場所に無賃乗車をした際の罰則について詳しく記載し、乗客に周知させることも大切です。

世界のバスの無賃乗車事情・対策

イタリアの路線バス

ヨーロッパ、とくにイタリアではバスの無賃乗車が深刻な問題になっています。

海外のバスは日本のバスのように降りるときに料金を支払うのではなく、事前に回数券を購入して乗った駅の刻印を押すというシステムになっています。そのため無賃乗車をしやすく、イタリアでは長年の問題になっていました。

そこで近年登場したのがバス専用の改札機です。

切符を通さなければバスに乗車、降車できないため、無賃乗車を未然に防げるようになりました。

バスを買い替えるのではなく改札機を取り付けるだけなので大幅な出費も少なく、無賃乗車を効率的に減らせるようになりました。

バスの無賃乗車について、その対処法や未然に防ぐ方法を紹介しました。

バスは電車と違い無賃乗車しやすい条件が揃っていますが、一度見逃すと何度も繰り返されてしまいます。

バスの乗車料金はバス会社運営のために必ず必要なものです。毎回きちんと支払っているお客様に対しても迷惑がかかりますので、バス会社でマニュアルを作成し、運転手が同じ対応をできるように情報を共有することから始めましょう。

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