トイレ付きのバスは少ない?理由をわかりやすく解説

トイレ付きのバスは少ない?理由をわかりやすく解説

高速バスや夜行バスなどではしばしば見かけるトイレですが、実は観光などに使用される貸切バスにはあまり設置されていません。
観光バスは長距離を走行することも多いので、トイレが付いていた方が便利です。しかし、そこにはやむを得ない事情があります。
今回は、トイレ付きの観光バスが少ない理由や、トイレ付きバスを購入するメリット、トイレ付きバスを購入する際のポイントを解説します。

トイレ付きのバスは少ない?

全国にはたくさんの観光バスが存在しますが、そのうち、トイレが付いている車両は全体の1%程度しかないと言われています。
なぜトイレ付きの観光バスが少ないのか、その理由は大きく分けて3つあります。

道路交通法違反になる

道路交通法第七十一条の三の2では、自動車の運転者は、座席ベルト(シートベルト)を装着しない者を運転者席以外の乗車装置に乗車させて自動車を運転してはならない、と定められています(※)。
バス走行中に車内トイレを利用する場合、当然ですがシートベルトを外さなければならないため、道交法違反に該当してしまいます。
空いたスペースで一時停車したり、最寄りの駐車場に寄ったりすれば違反することなく車内トイレを利用できますが、そもそも観光バスは現地でさまざまな観光スポットに停車するため、トイレ休憩の機会は十分にあります。
わざわざ車内にトイレを設けなくても問題ないという考えから、トイレを付けない車両が多いようです。

e-Gov法令検索:道路交通法

座席数が少なくなる

バスにトイレを設置するには相応のスペースが必要になります。
そのため、同じサイズのバスでも、トイレ付きの車両の方がトイレなしのものより座席数が少ないです。
どのくらい少なくなるかは車種やトイレ設備によって異なりますが、おおよそ8~9名分の座席が減ってしまうため、大人数での観光に対応できない可能性があります。

清掃の手間がかかる

バスにトイレを設置すると、座席まわりの清掃だけでなく、トイレ掃除も行わなければなりません。
トイレまわりはもちろん、専用の排出タンクの清掃も必要になるため、トイレなしのバスよりもメンテナンスに手間がかかります。
そのぶん人件費がかさむのはもちろん、トイレ専用の清掃道具や機械などの購入費もかかるため、コストも割増になります。

トイレ付きバスを購入するメリット

渋滞の中のバス

トイレ付きバスは、前述した理由で導入されるケースこそ少ないものの、トイレなしバスにはないいくつかのメリットがあります。

トイレのない駐車場でも用を足せる

車内にトイレが付いているバスであれば、PAやSA以外のトイレがない駐車場でも用を足すことが可能です。
どうしてもトイレを我慢できない、急に体調が悪くなったなど、緊急のケースにも対応できるのはトイレ付きバスならではのメリットです。

混雑に強い

観光バスはあちこちの観光スポットに停車するのでトイレ休憩の機会が多いと説明しましたが、交通状況によってはスポットからスポットへの移動にかなりの時間がかかってしまうこともあります。
特にゴールデンウイークやお盆、年末年始といった大型連休中は道路が混雑しやすく、思った以上に時間を要することがあります。
車内にトイレがあれば移動に時間がかかっても安心です。そのため、大型連休中はトイレ付きバスの需要が高まる傾向にあります。

万一の場合に備えられる

バスの走行中には、台風や大雪などの悪天候に見舞われたり、交通事故の発生で通行止めが発生したりと、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。
状況によっては長時間立ち往生してしまうこともありますが、車内にトイレがあれば万一の場合にも備えられます。

トイレ付きバスを購入するときのポイント

バスの座席後方のトイレ

トイレ付きバスを購入する際に押さえておきたいポイントを5つご紹介します。

トイレの設置位置を確認する

車両トイレの設置位置はバスによって異なります。
最も多いのは車両後方に設置されているケースですが、なかには車両中央に設けられているパターンもあります。
前者の場合、十分なスペースを確保しやすいため、トイレの面積自体が広くなるところが利点です。
一方、車両前方の席にいる人は長い距離を歩かなければならず、席によって不公平感が生じるというデメリットがあります。
車両中央に設けられているケースは、距離による不公平感が生じにくいところがメリットです。しかし、トイレ自体が狭くなる、トイレ横の席を嫌がる人が多い等の欠点があります。
それぞれのメリット・デメリットを理解した上でトイレの位置を確認し、購入するかどうかを検討した方がよいでしょう。

設備をチェック

車両バスと一言にいっても、その設備や機能は車両によって異なります。
必要最低限の簡易的なトイレのみ付いているバスもあれば、大きな洗面台が付いていたり、ウォシュレット機能が付帯していたりと、設備が充実しているケースもあります。
設備・機能が充実したトイレの方が利用者には喜ばれますが、そのぶんバスの車両費がかさんだり、より大きなスペースが必要になりがちです。
予算や座席スペースなども考慮した上で、車両トイレにどのような設備・機能が付いているのか事前にチェックしておくとよいでしょう。

座席数をチェック

前述した通り、トイレ付きのバスはトイレなしのバスよりも座席の数が少なくなります。
洗面台などの設備が充実したトイレほど必要になるスペースも大きく、そのぶん減らされる座席の数も多くなりますので、トータルの座席数は必ず確認しておきましょう。

タンク容量をチェック

車両トイレは車内に搭載された水タンクで水洗し、汚物は専用の汚物タンクに排出される仕組みになっています。
どちらも容量が多いほどトイレの使用可能回数は増えますが、そのぶん設置に必要なスペースも大きくなります。
水タンクや汚物タンクの容量は車両によって異なるので、乗車人数や利用シーンなどを考慮し、適切なタンク容量を備えたトイレを選ぶようにしましょう。

中古バスも視野に入れて検討する

これまで説明したように、トイレ付きバスはトイレなしバスよりもコストが車両費が割高になります。
コストを抑えてトイレ付きバスを購入したいのなら、新車だけでなく、中古バスも視野に入れて検討するのがおすすめです。
中古バスを購入する場合は、車両自体の状態はもちろん、トイレ設備に劣化や不具合がないか、きちんと確認することが大切です。

トイレ付きバスのメリット・デメリットをよく理解した上で購入を検討しよう

トイレ付き貸切バスは、法律や座席数、コストなどの問題から、トイレなしのバスより台数が少ない傾向にあります。ただ、トイレ付きバスは場所を問わず用を足せる、混雑や緊急時にも対応できるなど、トイレなしバスにはないメリットもたくさんあります。あえてトイレ付きバスを所望するケースも少なくないので、多彩な要望に対応したいのなら、トイレ付きバスの購入を検討してみましょう。

トイレ付きバスを購入する際は、設置位置や設備・機能、バスの座席数、タンク容量などをチェックし、自社のニーズに合ったものを選ぶのがポイントです。コストがネックになる場合は、新車よりも費用を抑えられる中古バスの購入を考えてみるのも一つの方法です。

予算も含め、バスの設備やトイレ機能などに要望がある場合は、中古バス販売会社に相談し、要望に適した車両を探してもらうとよいでしょう。

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