中古バスは海外でも使われている?需要を詳しく解説
新車のバスは価格がかなり高いため、購入をためらう人もいるかもしれません。よりお得な価格でバスを導入したいのなら、海外メーカーの中古バス購入を検討してみるとよいでしょう。
日本の中古バスが海外に輸出されるケースや、海外のバスが日本に輸入されるケースは意外と多いです。ただし、国によって車両の外装やサイズなどが異なり、改装が必要となることもあります。
今回の記事では、バスの輸入や輸出におけるポイントについて詳しく紹介します。
日本の中古バスは海外でも使われている!
日本で使われているバスは、古くなって役目を終えると海外に輸出されることがあります。とくに日本の中古バスは海外での需要が非常に高く、発展途上国などでは、マイクロバスや観光バスとして重宝されているようです。
海外在住の日本人によるブログやSNSでは「日本のバスを海外の街中で見かけた」という目撃情報が紹介されることがあります。海外では、日本のバス会社や各メーカーのロゴが車体に描かれたバスが走っているケースも少なくありません。日本にルーツをもつ人にとって、海外を走る日本のバスの姿はどこか懐かしく、そして誇らしく感じる場合もあるでしょう。
日本車が特に多く輸出されているのは、東南アジア諸国やアフリカの国々です。例えば親日国であるミャンマーでは、首都ネピドーや大都市ヤンゴンを中心に、多くの日本車が再利用されています。これらの街の長距離バスターミナルには、日本の会社名が書かれたバスが多く行き来しています。
またフィリピンやスリランカ、インドネシア、アフリカのケニアやタンザニアといった国々でも、日本のバスを見かけることがあるようです。
日本の中古バスが海外で多く使われている理由はやはり、その品質の良さや信頼性にあります。日本の車検制度は海外と比較して厳格なので、世界的に見ても車両のクオリティが高いためです。日本の車は高品質で信頼できると評判が高く、たとえ中古車であっても長期間使い続けられることから世界中で愛用されています。
さらに、部分的な故障が起きたときに部品を入手しやすいというのも、日本のバスの需要が高い理由です。日本車の部品は国際的に流通しているため、アジア圏やアフリカ圏であっても入手はそれほど難しくありません。適切な部品を使って修理やメンテナンスを行えるのが、日本のバスを選ぶメリットの一つです。
日本のバスは海外のバスと比較して燃費の効率がよいという特性もあります。近年では世界的にガソリンやディーゼルの価格が高騰しているため、多くの人がバスの燃料コストに悩んでいます。燃費のよい日本のバスを導入すれば、ランニングコストの節約が可能です。
海外メーカーの中古バスを購入することは可能?
日本のバスを海外に輸出するケースだけでなく、海外のバスを日本に輸入して使用するケースもあります。
例えば、アメリカで人気を集める自動車会社フォード社やシボレー社のバスは日本でよく再利用されています。運転席がトラックのような形になっているフォードやシボレーのバスは非常にスタイリッシュで、日本車とは異なる華やかな雰囲気です。
また、アメリカには「Blue Bird All American school bus(ブルーバード・オールアメリカンスクールバス)」と呼ばれる学童バスが多く走っていますが、この中古車が日本に輸入されることもあります。
アメリカは日本とは異なり国土がかなり広大なので、多くの子どもたちは長距離を走るスクールバスを使って通学しています。このようなスクールバスは現地で役目を終えたからといっても、すぐに廃車にされるわけではありません。まだ使える状態の中古バスは、中古車市場に出回り国内外で再利用されます。
アメリカのスクールバスの多くは、よく目立つ黄色い車体が特徴的です。海外から輸入したバスは再塗装して使うケースが多いようですが、せっかく現地のバスを買い取るのなら、現地で使われていた外装デザインのままで再利用してもよいかもしれません。
ただし、内装についてはメンテナンスや改装が必要となる可能性が高いでしょう。日本と海外では道路交通法が異なります。そのため、シートベルトの有無などに違いがある場合は、設備を入れ替えましょう。
海外メーカーの中古バスを選ぶときのポイント
せっかく海外の中古バスを輸入しても、思ったような走行ができなければ無駄になってしまいます。海外のバスを再利用するときには、問題なく走行させられるかどうかを細かくチェックしましょう。
具体的には、以下のようなポイントを確認して選ぶのがおすすめです。
- ・外装の状態
- ・バスのサイズ
- ・エンジンやエアコンの動作
それぞれについて、詳しく紹介します。
外装の状態を確認する
海外の中古バスをチェックするときに、まず外装の状態が目に入るという人は多いかもしれません。
外装がキレイな状態なら再塗装をせずに走らせることも十分可能ですが、塗装のムラや劣化があるときには塗り直しが必要です。再塗装にはまとまったコストがかかりますが、自社の社名やロゴ、任意のデザインを入れられるという良さもあります。
この他、飛び石による細かいへこみがないか、ガラスのキズや割れがないかといった点も見ておきましょう。
バスのサイズを確認する
バスを輸入する際には、そのサイズが日本の道路交通法の規定に合致しているかを確認しておくことが大切です。
海外と日本国内では道路の幅が多少異なるため、車両の幅にも違いがあります。日本では車両の幅が厳格に決められていますが、一方で、車両の幅や長さの制限がかなり緩く設定されている国も多いのです。
サイズの規定に合わない場合、日本の道路を走れない可能性があるため、十分注意しましょう。
エンジンやエアコンの動作を確認する
海外のバスを購入する際は、エンジンやラジエーターなどの状態を確認したり、エアコンを使えるかどうかをチェックしたりしておきましょう。
バスのエンジンやラジエーターなどの機能は、下部のパネルを跳ね上げなければ確認できません。パネル内部にサビや破損がないか、問題なくエンジンがかかるかなどを事前に確認することをおすすめします。
中古バスのエアコンがうまく作動しない場合などは、高額な修理費用が発生する恐れがあります。修理コストを下げるためにも、エアコンが正常に作動するバスを選びましょう。
海外の中古バスは、いくつかのポイントを確認してから購入しよう
バスをよりお得に手に入れたいときには、海外の中古バス輸入という方法も検討してみましょう。中古車市場をチェックすれば、高品質かつおしゃれな海外のバスが比較的安価で手に入る可能性も十分に考えられます。
ただし、海外と日本では道路や車両の幅などに関する規定が異なります。そのため、購入前に、バスのサイズが適切かどうかをしっかり確認してくことが大切です。加えて、改装に手間がかかると、かえってコストが跳ね上がってしまうかもしれません。海外メーカーの中古バスを購入する際は、外装の状態やコスト、エンジンやエアコンの動作をしっかり確認しましょう。